英文履歴書(レジュメ、CV)作成に悩む方も多いでしょう。この記事では、外資系IT企業採用担当者の視点から、英文履歴書の書き方を解説します。本記事を参考に、レジュメの基本を把握し、面接につながるレジュメ作成ができるようになりましょう。
レジュメの書き方のコツ
外資系IT企業では、英語で書かれた職務経歴書を「レジュメ」と呼び、日本語で書かれたものは「職務経歴書」と呼ばれます。レジュメの書き方については、ネット上に多くの情報があるため、実際に書こうとした際に混乱することもあるでしょう。この記事では、皆様が悩むであろうポイントについて解説します。
英語のレジュメと日本語の職務経歴書のどちらが良いの?
英語のレジュメにすることをお勧めします。日本語の職務経歴書で応募する人もいますが、英語のレジュメの方が好印象を与える場合があります。また、面接を担当する外国人もいるため、英語のレジュメが必要な場合もあります。手間はかかりますが、英語のレジュメを作成することをおすすめします。
どんなフォーマットを使えばよいの?
レジュメのフォーマットは特に決まっておらず、転職エージェントが提供するテンプレートを利用するので良いでしょう。マイクロソフトOfficeの標準テンプレートも利用可能です。最近はカラフルなテンプレートも公開されています。
レジュメに記載すべき内容は?
レジュメに必要な情報や不必要な情報を整理しました。同様の情報は、インターネット上で多数公開されているため、参考にしてみることをお勧めします。
記載すべき情報
- 連絡手段(名前、電話番号、メールアドレス、住所)
- 職歴(WORK EXPERIENCE):会社名と在籍期間、ポジション名、業務内容・成果(5~10点程度)。逆時系列で書く。
- 教育歴(EDUCATION):卒業した大学、大学院の名前と在籍期間。逆時系列で書く。
- スキル(SKILLS):習得しているコンピュータ言語、得意な技術領域、英語力(TOEIC点数)など
記載しても、記載しなくても良い情報
- 趣味(INTERESTS & HOBBIES):人となりがわかるのですが、重要視はされません。書いている人はあまりいません。
- 応募の目的(OBJECTIVE):応募したポジションとその動機。書いている人はあまりいません。
- 要約(SUMMARY):経歴のサマリ。レジュメが長い場合、要約として書いても良いです。
- 自己PR:日本語の職務経歴書の場合、記載するケースが多いですが、英語のレジュメには基本不要です。
- 資格(CERTIFICATION):仕事に関する資格があれば記載
記載すべきでない情報
- 生年月日、性別、家族構成、国籍、仕事に関係ない資格(運転免許など)
カバーレターはつけたほうが良いの?
個人的にはその情報は必要ないと考えます。私自身は、カバーレターを書いたことも見たこともありません。
英文レジュメの書き方
高品質な英文を心掛け、適切な文章の長さを保ちましょう。幼稚な英文は避けるようにし、Google翻訳を利用する際は注意してください。ChatGPTは英文レジュメのレビューに役立ちます。日本語から英語への変換や、指示を与えて適切な英語での表現を手に入れましょう。
英語の書き方のポイント
- 応募するポジションのJob Descriptionを事前によく読む。
- Job Descriptionにあるキーワードをレジュメに含める。
- 要点を簡潔に箇条書きで記載する。
- 具体的な成果を記述し、可能であれば数値を盛り込む。
- 主語を省き、動詞から文を始める(例:× I manage …◎ Manage …)。
- Action Verb を使う(例:Accomplish(達成する)、Conduct(実行する))。
- スペルや文法の間違いをしない。
- ChatGPTにレビューしてもらう
志望動機や自己PRは本当に不要?
英語のレジュメには、志望動機や自己PRの記述は必要ありません。これらは面接時に聞かれるため、レジュメに書く必要はありません。
レジュメのどこを見られている?
レジュメを見る際、どの部分に注目するのか気になる方もいらっしゃると思います。個人によって見方は異なるかもしれませんが、私は人事や他のマネージャーと一緒にレジュメを見てディスカッションした経験があります。そのため、参考になる情報が多く含まれていると考えられます。
レジュメのスクリーニングについて
採用マネージャーがレジュメを見る前に、Talent Acquisitionまたはコーディネーターによってスクリーニングされます。このステップは、レジュメの足切りとなります。Job Descriptionに適合しない、あるいは経験不足がある場合、レジュメはRejectされてしまいます。したがって、レジュメが良く書かれていても、自分の経験に合わないポジションに応募すると採用マネージャーに渡らない可能性があるため、自分の経験に近しいポジションに応募することが大切です。
社内従業員の紹介かどうか
外資系IT企業では、社員紹介制度(リファラルプログラム)があります。知り合いが入社している場合は、社員紹介制度の有無を尋ねてみることができます。レジュメが社員紹介制度で提出された場合、書き方がひどくなければ、面接に進むことができるでしょう。この制度はファストパスのようなものであり、積極的に活用することができます。
職歴が一番見られる
採用担当マネージャーは、職歴を最も重視しています。候補者が応募したポジションで活躍できるかどうか、職歴から判断するためです。Job Descriptionを参考にして、自分が活躍できることをアピールするように書きましょう(ただし、嘘はつかないように注意してください)。ポイントは以下の通りです。
職歴で見られる部分
- 会社名:有名企業や外資系IT企業であることは若干有利ですが、過去の業務内容がポジションとマッチしていれば面接に進める可能性があります。
- 在籍期間:長期間勤務していることが好ましいため、1社につき3年以上が望ましいです。1年以内と短い場合は、転職理由を聞かれる可能性があります。
- ポジション名:応募しているポジションに関連しているかどうか。
- 過去の業務内容:応募しているポジションの業務内容に関連していることが重要です。業務内容は箇条書きで複数書くようにしましょう。
スキルや英語力
Job Descriptionには、必要なスキルや英語力のレベルが記載されています。そのため、レジュメにはそれらにマッチする必要があります。重要なスキルは、経験年数などをアピールすることができます。英語力については、TOEICのスコアを記載するか、Business Levelなどと書くことが望ましいです。また、レジュメの英語力から英語力を判断される場合もあります。
誤字・文法のチェックと見た目の整え方
提出されるレジュメの多くは整っていますが、誤字があったり、英文のレベルが低かったり、見た目が悪い場合は悪い印象を与えることがあります。レジュメを書く際には、フォントや段落の揃え方など、標準以上の書き方を心がけることが大切です。
結局、どのようなレジュメが面接に進めるの?
結局のところ、入社して活躍できる過去の経験や実績がある人、あるいは伸びしろのある若手が面接に進みます。レジュメのクオリティは、足切りの判断基準にすぎません。自分の過去の職歴を確認して、募集しているポジションのJob Descriptionにマッチしているかどうかを判断し、応募してみましょう。自分で判断できない場合は、転職エージェントに相談することもできます。また、タイミングや運の要素もあるため、複数の企業に応募することをおすすめします。
まとめ
この記事では、以下のことについて説明しました。
ポイント
- ネット上にレジュメの書き方の情報が溢れているが、特に迷いそうな点を整理して説明した。
- 人事によるレジュメの足切りや社内紹介制度を使ったファストパスがある。
- 採用マネージャーは、レジュメの職歴やスキルを見て候補者が入社後活躍してくれそうか想像している。その他、英語の上手さ、全体の美しさを見ている。
私のこれまで経験をもとに記事を書きました。皆さまのレジュメ作成に少しでもお役に立てれば嬉しいです。
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